トレーニングでお尻に⼒が⼊らない⼈へ:理学療法⼠が⾒るよくある原因

スクワットやヒップスラストをしっかりやっているのに、お尻に効いている感じがしない。
「臀筋に効く」と言われている種目を試しても、お尻ではなくもも前が張ってしまう。

そんな経験はありませんか?

「臀筋トレは正しいフォームでやらないと効かない」「もっと重量を上げないと」——そう思って工夫を重ねているのに、なかなか改善しない。

もしかしたら、その原因はトレーニング種目や重量の問題ではなく、
「股関節の位置(求心位)が崩れていて、臀筋に力が入りにくい状態」になっているのかもしれません。

目次

なぜ「正しい種目」をやっても臀筋に効かないのか

一般的なトレーニング指導では、「この種目は臀筋に効く」「フォームをこう変えれば臀筋に入る」といったアドバイスがされます。これ自体は間違いではありません。

しかし、この考え方だけで臀筋が使えるようになるかというと、実はそうではないケースが多いのです。

なぜなら、「股関節の関節位置が正しい場所にないと、どんな種目をやっても臀筋に力が入りにくい」からです。

つまり、臀筋のトレーニング以前に「股関節の位置(求心位)が整っているか」が問題になるのです。

「求心位」とは何か——関節位置が力の入りやすさを決める

では、「求心位(きゅうしんい)」とは何でしょうか。

求心位とは、「関節が最も安定して、筋肉が効率よく働ける位置」のことです。

股関節の場合、大腿骨の骨頭が骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう)にしっかりと収まった状態が求心位です。この位置が崩れると、臀筋をはじめとする股関節周囲の筋肉が本来の力を発揮できなくなります。

多くの人は、「臀筋に効かない=やり方が悪い」と考えがちですが、
その根本には「股関節の位置がずれていて、臀筋が働きにくい構造になっている」という問題が隠れていることが少なくありません。

求心位が崩れた状態でどれだけ臀筋トレをしても、根本的な改善にはつながりにくいのです。

求心位が崩れると何が起こるのか

股関節の求心位が崩れると、以下のような現象が起こります。

臀筋が伸びきった状態や縮みすぎた状態で固まり、力が入らない

筋肉は適切な長さで働くことで最大の力を発揮します。股関節の位置がずれると、臀筋が最適な長さを保てず、力が入りにくくなります。

もも前(大腿四頭筋)が過剰に働いて、臀筋が使われない

股関節の位置がずれると、身体は不安定さを補うために別の筋肉で代償します。その結果、本来は臀筋が担うべき役割をももの前側の筋肉が肩代わりし、もも前ばかりが張ってしまいます。

動作中に股関節がブレて、効率よく力を伝えられない

求心位が崩れた状態では、スクワットなどの動作中に股関節が不安定になります。その結果、臀筋に負荷をかけたいのに、力が分散してしまい、効果的なトレーニングができません。

こうした状態では、どれだけ「臀筋に効く種目」を増やしても、根本的な解決にはつながらないのです。

臀筋が使えないのは「フォーム」だけの問題ではない

「臀筋に効かない」という悩みを持つ人の多くは、フォームや重量設定を工夫しようとします。もちろん、これらも重要です。

しかし、「フォームを直しても、股関節の位置が崩れたままでは、臀筋は使えない」のです。

例えば、ヒップリフトをやっているときに、お尻が上がっても股関節が外側にずれたままでは、臀筋はしっかり働きません。

スクワットで膝を曲げるときに、股関節が内側に入ってしまうと、臀筋ではなくもも前が優位に働いてしまいます。

つまり、「股関節の求心位を整えることが、臀筋トレの前提条件」なのです。

【動画解説】では、何から始めればいいのか?

まず最初にやるべきことは、「自分の股関節の位置がどうなっているのか」を知ることです。

これに関しましては、股関節と骨盤の位置関係をご自身で確認するのは難しいので、お近くのカラダのプロに確認していただければいいと思います。

1人1人股関節の状態は全く違うので、ご自身のお身体に合わせた運動をしていただければと思います。

股関節の求心位を修正をする運動は様々ありますが、今回は良く当店で使っている運動を紹介させていただきます。

臀筋トレの効果を最大化するために

臀筋トレで効果を出すためには、 「種目選びやフォーム改善」の前に「股関節の求心位を整える」というステップが不可欠です。

求心位が整っていない状態でトレーニングを積み重ねても、臀筋は使えないまま、もも前ばかりが発達してしまいます。逆に、求心位が整えば、同じ種目でも驚くほど臀筋に効くようになります。

もしあなたが、

  • スクワットをしてももの前ばかりが張る
  • ヒップスラストをやってもお尻に効いている感じがしない
  • 臀筋トレを頑張っているのにヒップラインが変わらない

という状態であれば、ぜひ一度「股関節の求心位」に注目してみてください。

身体は一朝一夕には変わりませんが、正しい位置で動く練習を積み重ねることで、臀筋が使える身体へと確実に変わっていきます。

もし興味を持って頂けたら、当店に足を運んでいただければと思います!

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